昨年10月下旬、レコーディングが終わりかけた時に、隆プロデューサーから言われたひとことです。
全てをプロデュースして下さる中、まさか僕に案を求めてくれるとは思ってませんでした。
「そんなん、もちろんやん!」と続けるプロデューサーに
「具体的な案はまだ無いですが、レコーディング中に印象深かったのは…」と続けました。
レコーディングの合間に足繁く通う、スタジオ2階にある喫煙所。
気付けば辺りは真っ暗の時間。
次のパートはどう歌えばいいのかと考える独りぼっちの暗闇に、隣りの建物の窓から届く光の中、少女のバレリーナたちが踊っている。
これを伝え、タイトル案を年始にあるマスタリングの日に持ち寄ることに。
当日、プロデューサーのスマホのメモには、びっしりとタイトル候補達が整列していた。
「この『マカロワ』って何ですか?」
「あ、これは『ナタリア・マカロワ』っていう、すごい伝説のバレリーナがいて、めっちゃヘビースモーカーやねんて」
これやん
絶対これやん
女性の曲のカバーを僕が歌えるのか。
あのバレリーナの少女たちのように舞えるのか。
何本ものタバコを吸いながら考えた。
『マカロワ』
ひとことに全部入ってるやん
即座に決定しました。
僕が考えたタイトルたちは
『煙草のけむりとバレリーナ』
『けむリーナ』
『トゥシューズおじさん』
……
ほんま『マカロワ』にしてよかった‼︎
VIDEOを何度も見返して、私が好きなのはこのマカロワ決定秘話のところと、(ハートのIgnition前)インタビュー受けてる時はメガネかけて答える時は外して言われたようにやってるけど喋りにくいねんけど!と言った後に、一瞬笑ってるてるきんの表情です。
初めに後藤くんが決めんねんで!と言い、後藤さんから見えた景色を汲み取って、最高の案を出してくる隆プロデューサー。
むちゃくちゃな設定でレコーディングや作詞、スタイリングを任されたというエピソードも、ただの面白い話で終わるのではなく、マカロワを毎日聴く今となっては『あの時藤井さんがそう考えてたからなのか』と納得できます。スレンダリーのCDを買う時、どう考えてそうなるねん、がいつも沸き起こって、楽しいです。
マカロワ、本当にいいですね。なぜかちょっとマカロニの口になってしまう私です。